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ブックマーク / qushanxin.hatenadiary.org (10)

  • チベット問題と日本の言論 - 狂童日報

    世界では「北京オリンピックをボイコットしろ」という声が、普段はごく「リベラル」と思われる、著名な映画俳優や文化人から多く出ている。日ではどうかと言うと、これが不思議なほどいないのである。今日の朝日新聞の社説なんかが全く典型的だが、中国のチベット政策を型どおりに批判しつつ、「五輪は政治とは切り離せないが、成功させるためには、政治に引きずり回されないようにする知恵が必要だ」という、「だからその『知恵』が何なのかを知りたいんだよ!」と突っ込まざるを得ないような無内容な論評が全く多い。 中国政府がチベットで何をやってきたのかをか知らぬ者は誰もいないし、これからも改善に向かう兆しがあまりないことは、今回の事件ではっきりしてしまった。だから来なら、「政府首脳が北京五輪の開会式に出席すべきではない」という声が(私もこの意見だが)、政治家やマスメディアといった公的な言論において、一定数の力を持っていな

    チベット問題と日本の言論 - 狂童日報
  • やはり中国問題は存在しない - 狂童日報

    前回の続きというか繰り返しかも。 今回の冷凍餃子問題は、「貧困層を多く抱える国が急速に『世界の工場』になり、大量の品や製品が世界中に出回るようになった」という以上の意味は基的にないと思う。「中国品は危険」ということは必ずしも否定しないが、そこから出てくる対応が中国産は買わないとか、日人同士で中国の悪口を言い合うというのは最悪である。それは仲間内で悪口を言い合いながら、「悪いのはあっちだから」として、問題の解決をほったらかしにするという態度を正当化することにつながりやすい。 農薬が中国で混入したか日で混入したかで、中国でも日でも問題になっているようだけど(さすがに中国だとは思うが)、当のところはどっちでもいいはずである。中国の地方農村を含めた発展途上国で、品の衛生管理(さらには衛生管理の教育)が劣悪であることに何の変わりもない。日の企業や厚生省が管理の徹底を図ったところで

    やはり中国問題は存在しない - 狂童日報
  • 中国問題など存在しない - 狂童日報

    最近中国に関していいニュースを聞かないくらいだが、私は敢えてこれを「中国問題ではない」と言うことにしたい。「中国問題」というのは、「中国に特有の文化や国民性に由来する問題ではない」という意味である。 冷凍餃子問題について言えば、前にも書いたように、品の生産や加工が海外で行なわれるようになれば、日と同水準の衛生管理制度を隈なく行き渡らせることが困難になるというだけの話である。それに日で「健康」というのは「安全な品をバランスよくべる」ということかもしれないが、中国のように分厚い貧困層を抱えている国では、多くの国民にとって「健康」というのは「べ物を腹いっぱいべる」という以上のことを意味しない。それに加えて、中国の農業は市場競争からの保護も弱く、生き残るためには「大量に安く」売らなければならないので、自ずと「品の安全」ということは「大したことではない」ということになる。当たり前だが

    中国問題など存在しない - 狂童日報
  • 自己責任論 - 狂童日報

    「自己責任論」再浮上 韓国政府、拉致被害者らに費用請求検討 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070831-00000904-san-int かつて日でも散々話題になったが、これは一体全体「自己責任」なのか。実は日では、あまり議論が詰められることなく終わってしまったのではないかと思うが、また起こる可能性の十分にある問題である。 私の結論は「まったく自己責任ではない」、つまり国が被害者に医療費や輸送費などを請求することなど断じてあってはならないというものである。理由は単純で、日の国籍をもつ人々の生命財産を無条件に保護するということは、日という国家の基的な義務であるからである。 たぶん「自己責任」論というのは、「現地の危険さに対する十分な備えもせずに渡航した」ことへの甘さに対する叱責なのであって、それ自体はその通りかもしれない。ただ、救出にかかっ

    自己責任論 - 狂童日報
  • なぜ年金未納が多いのか - 狂童日報

    自民党のぼろ負けが確実視される参議院選挙に向けて、年金問題が焦点になっている。相変わらず与党は野党の攻撃に対して「財源は何処に?」と開き直って、「景気回復で対応」などと世迷いごとを繰り返してる。年金改革の中身云々以前に、この段階で与党の言うことは全て破綻している。 そもそも国会議員たちは、なんでこんなに「未納」(3割強)が多いのかという根的な問題を真面目に考えたことがあるのだろうか。 だいたい年金というのは「老後が不安」ということを前提にしている。「老後が不安」という感情は、裏返して言えば「いまはそれなりの安定した給料をもらって働いている」からこそ、言い換えれば「定年」というものをリアルに想像することが出来るからこそ起こるものである。「来月は仕事があるだろうか」という不安を日々抱えている派遣社員やフリーターにとって「定年」など頭の片隅にすら上らないだろうし、そういう現実味のない「定年後」

    なぜ年金未納が多いのか - 狂童日報
  • NHKスペシャル - 狂童日報

    NHKスペシャルの「高速ツアーバス」のドキュメンタリーを観たが、さすがNHKのドキュメンタリは―すごい。公共放送の必要性を強く感じるのは、こうした手間隙がかかる番組は民放ではとてもつくれない(実際作っていないどころか、議員や官僚(ときどき「だらしない若者」)など「叩きやすいやつ」ばかり批判して正義ぶっている!)からである。 あそこに登場した、下請けのバス会社をピンはねしているとしかいいようのない旅行会社の社長はたしかに「ひどい」の一言だが、むしろ問題なのはだれが見ても「ひどい」話が、当事者の感覚として全くなくなっていて、「一生懸命いいことをしている」と当に信じていることである。そら恐ろしいのは、テキパキと饒舌に「コスト削減と安全管理は両立する」という例の社長の語り口が全く理屈だけが宙に浮いていて、人間を相手に話している感じがないことである。思い起こしてみると、キャラが強かったとは言え逮捕

    NHKスペシャル - 狂童日報
  • 「左翼」が支持されない理由 - 狂童日報

    最近、「フリーター」などの若者弱者が自民党に投票したり、女性が「男女共同参画」を訴える浅野史郎ではなく、女性蔑視発言をしばしば行なう石原慎太郎に投票したりという奇妙な現象が起こっている。 多くの人々は当惑しながら「右傾化」のレッテルを貼って終わりにするだけだが、私が考えるには従来の「左翼」と呼ばれる人々が「中流幻想」からなかなか抜け出せなかったことにあることが背景にあるように思う。1970年代以降にマルクス主義の凋落によって「左翼」の学者やジャーナリストが選択した戦略が何かといえば、(1)女性の社会的な地位向上を訴えるフェミニズム、(2)中国韓国戦争被害者に対する補償を求める戦争責任論、(3)「在日」や移民の社会的権利付与を支援するマイノリティ運動などであった。こうした戦略を通じて、戦後の日社会は経済的な豊かさを達成したものの、それが様々なマイノリティを排除することによって成り立って

    「左翼」が支持されない理由 - 狂童日報
    westerndog
    westerndog 2007/04/30
    「彼らの批判対象だった「男性日本国民」は等しく経済的な豊かを享受しているのでは決してなく、社会的な格差や分断を抱え込んでいることが露わになっていったからである」同意。
  • いじめっこはどこに? - 狂童日報

    普段は安直なマスコミ批判をする連中を軽蔑しているが、さすがにここ最近のいじめ問題に関する報道はひどすぎる。 だいたい、いじめが問題であるとすれば、最も反省し、態度を改めるべき存在は誰なのだろうか。そんなのは幼稚園生でもわかる。直接いじめを行った生徒である。それ以外には有り得ない。直接いじめていた生徒と、それに加担していた仲間と、消極的に同調していたクラスメートの順に悪い。基的に教師は悪くない。もちろん公に謝罪するのは教師だが、それは社会的に「未熟」な生徒のかわりに、クラスの監督者として、そして一人の大人として社会的責任をとっているだけである。最終的にいじめっこの生徒が責任をとらないのは、あくまで社会的な能力や責任感に欠けた子供として扱っているからであり、教師のほうが悪いからでは決してない。テレビや新聞の報道を観ていると、こういういじめ問題を考える際の大前提が共有されていないのではないかと

    いじめっこはどこに? - 狂童日報
    westerndog
    westerndog 2006/11/01
    最後の一文を除き同意。埼玉の失神ゲームでいじめた方は逮捕されてるのに、福岡も北海道も教師ばかりが批判対象になってていじめた子は放置だからなぁ。
  • 右傾化はほんとうか? - 狂童日報

    最近マスコミでは「右傾化」を警戒する発言が目立っている。「右傾化」というのであれば、核武装をしてでも日という国を防衛するうんぬんの議論や、大東亜戦争は聖戦だったみたいな議論が増えているということを意味しなければならないが、今一つピンとこない。「若者バッシング」「ジェンダーフリーバッシング」というものもそうだけど、私はそういう主張をする人に実際会ったことがほとんどない。「ジェンダーフリーバッシング」や「右傾化」に属すると思われる知識人は、アカデミズムでは全然評価されていないし(そもそも論じている内容もひどすぎるし)、職場でも馬鹿にされているか腫れ物扱いかどちらかだろう。 はっきり言うが、「右傾化」に属するような発言は一般社会ではまだタブーに近いし、とくに学者の間では「保守」や「右翼」と見られることを極度に嫌がる雰囲気があり、『正論』『諸君』のような雑誌に論文を書くことは今でもかなり勇気のい

    右傾化はほんとうか? - 狂童日報
  • 安倍晋三が総理大臣に - 狂童日報

    正確にはまだ「総理大臣」ではないが、安倍晋三の評判がネット上でのあまりにひどさに驚いている。この理由はいまひとつわからないが、小泉政権末期に露呈し始めた「負」の部分をまともにかぶってしまったようだ。 私自身、安倍氏を全く評価していない。期待していないというより心配だ、という点では今までの総理大臣の中で最悪である。それは彼の主張が「右」だからではない。「美しい国」とか内容空疎な薄っぺらなスローガンが多いから、というわけでもない。この2週間ほど自民党総裁候補三人がテレビに出演して議論を戦わせていたが、ほかの二人が私とは意見は違うにしてもいろいろ熟考した跡がそれなりに感じられたのに対して、安倍氏はどんなときでも理路整然とテキパキと議論を展開しようとする。要するにテレビの討論番組向けの口調なのだ。言っていることの筋はそれなりに通っているような気もするのだが、そうした筋を通すことによって国内および国

    安倍晋三が総理大臣に - 狂童日報
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