ゴールデンウィーク後半、後立山と穂高で大きな事故が連続的に発生し大量の犠牲が出た。条件がよければ半袖、吹雪けば一気に冬山になる春山の怖さを思い知らされた。 まだ事故の詳細は定かでないが、白馬岳で6人が全滅した事故について、「ジャンパーにTシャツ」などという情報が流れ、お決まりの「中高年の無謀登山」のステレオタイプな大合唱がかまびすしいが、単純にそうとも思われないので、一言触れておく。 遺体収容のテレビ放送を見た限り、装備はそれほどおかしなものには見えなかった。ゴアテックス(たぶん)のアウターを着ていたように見えたし、雨具をアウターに着るのは普通である。冬山であってもうちの山岳会でもそうする。中にフリースなどを着込んでいなかったことも行動中は当たり前であり、行動中に稜線で強風にさらされ急速に体温を奪われて消耗した時、手袋を外して、ザックを開けてアウターを脱ぎ、フリースを着込み、もう一度アウタ