J・J・エイブラムス監督53歳、哀しき独り相撲……観終わった後、私はそう思った。面白い/面白くないかで言えば面白かったし、好き/嫌いで言えば好きだ。しかし、それはこの映画『スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019年)を取り巻いていた様々なトラブルを顧みての想いだ。同情票と言ってもいい。 もともと新三部作は、3人の監督によるリレー形式の作品と想定されていた。J・Jの仕事は1作目『フォースの覚醒』(2015年)の監督として「スタートダッシュを切って、あとは任せる」。そしてJ・Jはその役割を果たしていた。無限の可能性を秘めた少女「レイ」、自由を求める善良な人間「フィン」、絵に描いたような伊達男の「ポー・ダメロン」、そして善と悪の狭間で揺れる「カイロ・レン」といった、いくらでもキャラクター性を膨らませることのできる上に、それぞれ異なった魅力のある登場人物たちや、次作で便利に使えそうな謎