貧困の中、母は死んだ 2015年に中国で「“最悲傷作文(最も心が痛む作文)”」と呼ばれて評判になった文章があった。 それは四川省凉山彝族(イぞく)自治州に居住する12歳の彝族の少女で、小学4年生の“ムクイウム(木苦依五木)”<中国語名:柳彝(りゅうい)>が中国語で書いた漢字で300字余りの「涙」という題名の作文だった。 それをできる限り忠実に翻訳してみる。 題名:涙 パパは4年前に死んだ。パパは生前私を最も可愛がってくれたし、ママは毎日私に美味しい料理を作ろうと頑張ってくれた。きっとママもパパの事を偲んでいたのだと思う。 ママが病気になり、“鎮(町)”へ行き、西昌市へも行ったけど、お金が無くて、病気は良くならなかった。 あの日、ママが倒れた。ママが苦しそうなのを見て、私は泣いた。私はママに「ママ、きっと良くなるよ、私がママの世話をするから。私が作るご飯を食べて、眠れば良くなるよ」と言った。