安倍晋三元首相。2022年7月8日、奈良市で演説中に銃撃されて死亡した Photo by Tomohiro Ohsumi / Getty Images 安倍晋三元首相銃撃事件から約1年半が過ぎたいまも、与党・自民党と旧統一教会の癒着の問題は解決の兆しが見えない。なぜこのカルト教団は日本で肥大し、政治家たちはそれを見過ごしたのか。米有力誌「アトランティック」に大きく掲載された長編記事を、全訳掲載する。 【画像】なぜ安倍を暗殺した山上徹也を米有力誌は「歴史上最も成功した暗殺者」と書いたのか 安倍晋三は人生最後の日の朝、奈良にいた。 五重塔で知られる古寺と、神の使いの鹿で有名なこの地方都市にやってきた目的はいかにも事務的で、市内の主要駅に面した街路の広い交差点で、地元選出の国会議員の再選を訴える応援演説をするためだった。 安倍は2年前に首相を辞任していたが、日本の歴代首相で最長の在任記録を持つ彼