武井明「思春期外来の窓から」 思春期における異性との関係は、こころがときめくと同時に、苦しさをもたらす悩ましい問題にもなります。これを解決するには、異性の言葉にならない気持ちをどう理解するのか、ということが鍵になるのかもしれません。今回は、異性とのお付き合いがうまくいかない男子を紹介します。 【写真】篠田麻里子さん 玄米とみそ汁で育った健康体 亮太君(仮名)は、手洗いに時間がかかるということで、思春期外来を受診した男子高校生です。家族は両親、亮太君の3人家族です。 亮太君は未熟児で出生し、歩き始めるのも、言葉が出るのも、他の子と比べて遅れていました。とくに言葉の数がなかなか増えず、幼稚園では、他の園児に話しかけられても意味が理解できず、一緒に遊ぶことができませんでした。それで、いつも一人で長時間、ブロック遊びをしていました。 小、中学校時代は特別支援学級に在籍しましたが、クラスでは孤立し、