退職金ゼロにする奇策が全国自治体で横行 非正規公務員5.8万人、勤務が毎日15分短いだけで「パート扱い」 非正規の地方公務員には退職金を払いたくない? 全国の自治体でそんな観測が浮上している。退職金の受給資格があるフルタイム非正規より1日約15分だけ勤務時間が短いため、受給できない「パート」が約5万8000人いることが国の調査で判明したからだ。専門家は「自治体が恣意的に勤務時間を短くしているのではないか」とみている。(渥美龍太、畑間香織)
人気お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さん(60)の女性への性的行為強要疑惑を巡る記事が「週刊文春」に掲載され、松本さんが芸能活動を休止したことについて、所属する吉本興業の広報担当者は17日、本紙の取材に「(松本さんが)強制的に性行為をしたとは思っていない」と述べた。松本さんが女性らとパーティーを開いていたことは否定しなかった。同社が記者会見を開く予定はないとした。 吉本興業は先月27日、「記事は客観的事実に反する」とする談話を公表。「タレントの社会的評価を著しく低下させ、その名誉を毀損(きそん)する」と主張していた。広報担当者は「パーティーの開催自体を否定したのではない」とし、17日時点でも週刊文春を提訴するかどうかを含め、対応を検討していると説明した。 同誌は先月末から疑惑を報じ、今月に入っても複数の女性や芸能関係者らの証言を掲載している。吉本興業の広報担当者は「(今後の報道などで
ジャニー喜多川氏の性加害問題を巡り、ジャニーズ事務所の東山紀之新社長は7日、自身の性加害については「覚えていません」と述べ、今後、事務所のスタッフを含めて調査し、結果を報告する意向を示した。
東京都世田谷区は二十二日、二〇二三年度のふるさと納税制度に伴う区税の流出が前年度比十億円増で、過去最大の九十七億円に達したと発表した。二二年度から対策として返礼品を拡充して寄付を呼び込んだが、その効果も吹き消す損失で、保坂展人区長は「大変ショック。このままなら百億円、百五十億円と進む。耐えられない」と国による制度の見直しが必要と訴えた。 流出額は昨年、区民が制度を利用して他自治体に寄付したことに伴う本年度の区税控除額の総計。一三年度は六千万円だったが、年々、特産品など豪華な返礼品をそろえる自治体への寄付が増え、流出額が膨張。十一年間の流出は累計四百五十八億円に上った。 区は長年、返礼品を福祉作業所で作ったお菓子など社会的意義のあるものに限っていたが、昨年度から区内の名店の商品やクーポン券などをそろえ「返礼品競争」に加わった。果たして二二年度は前年度の倍の二億八千万円の寄付が集まったが、流出
「ジャニー喜多川氏から性的暴行を受けた」と告発したカウアン・オカモトさん=12日、日本外国特派員協会で ジャニーズJr.として活動していた歌手のカウアン・オカモトさん(26)がジャニーズ事務所に所属当時、ジャニー喜多川前社長(2019年死去)から「性的被害を受けた」と記者会見で述べたことを受け、ジャニーズ事務所が21日、所属タレントらの相談を受け付ける窓口の設置を準備しているとする文書を音楽関連会社などに送付したことが分かった。 文書は藤島ジュリー景子社長名で送付された。それによると、「告発について真摯(しんし)に受け止めている」と強調。その上で、ジャニー喜多川氏が故人のため「すべての事実の確認は難しい」としつつ「問題がなかったなどとは考えていない」と記述した。 社員や在籍タレントに対するこれまでの面談では問題点は確認できなかったが、「社内のヒアリングなので十分であるとは考えていない」と前
政府が2013年6月にまとめた「日本再興戦略」を巡り、1人当たりの名目国民総所得(GNI)を「10年後に150万円以上増やす」とした目標の達成が困難となった。目標額の半分しか届かない見通しで、生産性や賃金が上がらない日本経済の停滞を示す。岸田政権は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の教訓を生かし、低成長から抜け出す道筋を描けるかが問われている。(近藤統義) 国民総所得(GNI) 「国内」で生み出された付加価値に着目したGDPに、「国民」という概念を用いて個人や企業が海外から受け取った利子や配当を加えた統計。これを人口で割ったのが1人当たりGNI。企業の所得も含むため、家計の収入そのものを意味するわけではない。日本企業のグローバル化が進んで海外での稼ぎが膨らみ、GNIとGDPの差は広がっている。 12年末に発足した第2次安倍政権は、再興戦略に民間投資の活性化や成長分野の開拓、海外市場の獲得
【ワシントン=吉田通夫】米国務省は20日、世界各国の人権侵害についてまとめた2022年版の年次報告書を発表した。ウクライナへの侵攻を続けるロシアについて「多数の戦争犯罪や残虐行為、虐待をした」と明記し、中国の少数民族政策なども批判した。 報告書では、ロシア軍がウクライナで処刑・拷問、女性への暴力、民間人やインフラを狙った意図的な攻撃など「戦争犯罪を構成する信頼できる報告があった」と説明。ウクライナの民間人をロシアに強制移住させ、子どもをロシア人と強制的に養子縁組させていることに「多くの報告があった」とも記した。 中国については、新疆ウイグル自治区のウイグル族ら100万人以上を強制収容するなどの「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と「人道に対する罪」が継続していると説明。イランやミャンマーなどでの市民弾圧も問題視した。 一方、日本に関しては、外国人を収容する入管施設での死亡事例に言及し、長期収容
大規模な金融緩和を中心とした安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の指南役として、当時内閣官房参与を務めた浜田宏一米エール大学名誉教授(87)は本紙のインタビューで、10年に及ぶ政策の効果について「賃金が上がらなかったのは予想外。私は上がると漠然と思っていたし、安倍首相(当時)も同じだと思う」と証言した。大企業の収益改善を賃上げへとつなげる「トリクルダウン」を起こせなかったことを認めた。 (渥美龍太、原田晋也、畑間香織)
2022年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は前年比5.1%減の79万9728人で、1899年の統計開始以来初めて80万人を下回ったことが28日、厚生労働省の人口動態統計(速報値)で分かった。国内の外国人などを除き、日本在住の日本人だけに限れば77万人前後になるとみられる。政府機関の推計より10年ほど早いペースで少子化が進んでおり、この傾向が続けば、社会保障制度や国家財政の維持が厳しさを増すのは避けられない。(井上峻輔) 出生数は7年連続で過去最少を更新した。16年に初めて100万人割れとなったが、それから6年でさらに2割程度落ち込んだことになる。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は17年に示した将来推計で、日本人の出生数が77万人台になるのは33年としていた。 婚姻数は3年ぶりに前年を上回ったが、新型コロナウイルス禍で20〜21年は急減しており、今回の出生数減に影響した可能性がある。厚
報告書名は「新時代の日本的経営」。経営で三つの雇用の形を組み合わせることを提言した。このうち契約社員や派遣ら非正規を「雇用柔軟型」と名付け、企業が人件費を抑えるために活用する方向性を示した。 新時代の日本的経営 終身雇用や年功賃金を中心とする日本的雇用の見直しを求める提言。急激な円高や不況を受け、人件費を抑えるのを目的に3種類の雇用を組み合わせる「雇用ポートフォリオ」の導入を企業に促した。正社員に当たる「長期蓄積能力活用型」、専門能力を生かす「高度専門能力活用型」に加え、現在の非正規労働者に当たる「雇用柔軟型」を設定。企業が非正規を増やす方向性を示したとされる。 当時、日本は先進国が協調してドル高を是正する「プラザ合意」(85年)を機に円高が急伸、その後のバブル崩壊で不況に陥った。成瀬さんは報告書の作成について「円高で賃金が上がり過ぎたから下げるしかなかった。このままでは企業がつぶれるとい
外国人の収容ルールを見直す入管難民法改正案が、23日召集の通常国会に提出される見通しとなった。これを受け、2021年3月に名古屋出入国在留管理局で収容中に亡くなったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=の遺族らは12日、東京都内で記者会見し「収容について上限設定や司法審査もない法案ならば、外国人の人権がないがしろにされる」と訴えた。 入管難民法改正案は21年に国会で審議入りしたが、ウィシュマさんの死亡などを受けて衆院法務委員会で採決が見送られ、同年10月の衆院解散で廃案となった。今回の改正案は旧案を一部修正するものの、難民申請中の送還を可能にし、収容期間の上限は現行通り設定せず、収容に関する司法審査がないなど、骨格は維持されるとみられる。 会見でウィシュマさんの妹・ポールニマさん(28)は収容期間の上限設定がなければ「入管が都合のいいよう収容してしまうのではないか」と懸
杉田水脈総務政務官が国会で「お答えを差し控える」を連発し、答弁拒否を繰り返している。誹謗(ひぼう)中傷ツイートへの「いいね」問題や、過去のLGBTQへの差別発言など、政務官としての資質を問われているのに、「個人的なこと」などと説明を回避している。これでも続投は「いいね」なのか。(特別報道部・大杉はるか) 先月26日の衆院倫理選挙特別委員会で、「統一教会の信者の方にご支援、ご協力いただくのは何の問題もない」と過去にツイートしていた杉田氏は、「今も問題ないと思っているか」と問われた。答弁は「総務大臣政務官としての立場なので、個人的な投稿について見解の表明を差し控えたい」。 さらに性暴力被害を公表した伊藤詩織さんを「枕営業の失敗ですね」などと誹謗中傷するツイートに「いいね」を押し、東京高裁から名誉毀損(めいよきそん)と認定された件についても「係争中の案件なので詳細は控えたい」。SNS上の誹謗中傷
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