この夏、沖縄周辺の海では、ある異変が起きています。サンゴ礁が一面、真っ白になる「白化現象」。サンゴが死にかけた状態になっているのです。国立環境研究所の調べでは、サンゴの白化は、沖縄県の八重山諸島から鹿児島県の屋久島にかけての広い範囲で確認され、深刻な被害となった1998年に並ぶおそれがあるとみられています。原因は、この夏の海水温の上昇です。サンゴは、海水温が30度を上回る状態が2週間から1か月ほど続くと白化が起きやすくなります。専門家は、サンゴの異変は、気候変動のサインだと指摘しています。 私たちが最初にサンゴの異変の情報を得たのは、7月中旬。八重山諸島のダイバーから「サンゴが白くなりはじめている。18年前と似た兆しがある」との一報を得ました。取材を進めると、琉球大学などのグループも異変を察知し、調査を始めていることが分かりました。 8月に入ると状況はさらに悪化し、「白化がかなりの規模で進