2012/7/108:39 東京スカイツリーから展望する人口減少時代の「未来都市」像 ――〈タワー的公共性〉と〈ショッピングモール的公共性〉の交錯として 中川大地 ■雨のスカイツリー開業と「時空を圧縮したランドスケープ」 2012年5月22日に「東京スカイツリー」が開業して、1ヵ月半以上が経過した。 その開業の日、強い雨風がこの新参タワーの展望塔としての門出に文字通り水を差す中、誘致決定以来の7年間の地元民としてのコミットを元にした著書『東京スカイツリー論』を上梓したばかりだった筆者は、事業者サイドが公表していた事前情報を元に書いた自著での叙述と実際の体験性との違いがどうなっているかを我が身で確かめるべく、初めて付帯施設「東京スカイツリータウン」の敷地に足を踏み入れ、そして地上高350メートルに位置する第一展望台「天望デッキ」へと上った。 ちょうど夕暮れ時、ようやく雨も小降りになって雲