厚生労働省が行った「過労死等防止対策に関する調査研究」で、「過労死ライン」と呼ばれる月80時間を超えて残業をした従業員がいる企業は、全体の2割余りに上り、なかでも従業員が1000人以上の企業では6割近くに上っていることが明かになった。 日本では年間少なくとも1000人以上の人が、仕事上のことが原因で自殺している。過労自殺のほとんどは、長時間労働と密接に関連し、過労死と同様、ここ数年、問題は深刻化している。 たとえ、長時間労働の事実があっても、自殺の場合、「ほかにも似たような環境の中で働いている人はいる。個人の資質だ」と、自殺を"個人の問題"として片付ける企業は多い。加えて、自殺した人たちのほとんどが、「会社に迷惑をかけて申し訳ない」「期待に応えられず、すみません」といった遺書を会社や上司に残すことが多いため、それを逆手にとった企業が責任を回避するのだ。