自民党内の権力闘争が生んだ「政治空白」で二の次にされているのはコロナ対策だけではない。 自民党総裁選の日程が決まった8月26日、沖縄県宜野湾市では米軍が普天間基地に保管している有機フッ素化合物のPFOS(ピーホス)とPFOA(ピーフォア)を含む汚水を下水道に流し始めた。 PFOSとPFOAは環境中で分解されにくく、人体に取り込まれると蓄積される有害性物質と指摘され、国際条約で規制されている。このため、日米間で汚水の処分方法をめぐる協議が続いているさなかであった。 宜野湾市議会が下水道に絶対に放出しないことを求める決議を全会一致で可決するなど、沖縄では放出に強く反対する声が広がっていた。米軍はそれを振り切り、一方的に放出に踏み切ったのだ。宜野湾市に米軍から連絡があったのは、放出開始から10分後のことだった。 NHK報道によると、米軍は「国の暫定指針値を下回るよう処理した」「汚水から取り出した