キンシャサの市場で物を売るナディン・ボンザンガさん。副反応が怖くてコロナワクチンの接種は受けていないという=コンゴ民主共和国で2022年1月30日午後1時4分、平野光芳撮影 アフリカ中部コンゴ民主共和国(旧ザイール)では、新型コロナウイルスのワクチン接種完了者が人口のわずか0・3%しかいない。およそ300人に1人の割合で、世界最低水準の国の一つだ。接種キャンペーンは2021年4月に始まり、現在は18歳以上なら誰でも無料、予約なしで受けられる。それでも進まないのはなぜか。背景には、コロナ以上に恐れられている感染症の存在があった。 首都キンシャサ中心部からおよそ15キロの公立ヌジリ・シノコンゴレ病院。1月31日昼、接種会場の大型仮設テントは閑散としていた。「きょうはワクチンがない」とスタッフ。道路舗装が不十分なキンシャサでは雨が降ると各地にぬかるみができ、交通もまひする。雨期のこの日は未明から