貯蔵用プールに沈められた使用済み核燃料=フランス北西部ラアーグで2021年3月2日午後2時ごろ、久野華代撮影 使用済み核燃料を原発で再利用する政策をとっているフランスや日本で、政策の行き詰まりが表面化している。プルトニウムとウランを混ぜた「MOX燃料」を繰り返し利用する技術が確立できないのだ。使用済み核燃料の置き場に困ったフランスは、巨大な中間貯蔵プールの建設を計画し、最終貯蔵も見据えている。 日本の原子力政策には「全量再処理」という金科玉条がある。「ウラン資源の有効活用」を目的に、すべての使用済み核燃料は必ず再処理してプルトニウムを分離し、再利用する原則。これを墨守すれば、プルサーマルと呼ばれる燃焼を終えた使用済みMOX燃料も再び再処理する必要がある。しかし、プルトニウムを利用する体系「核燃料サイクル」で日本がお手本とするフランスでさえ、ちゅうちょする。なぜか。 いまだ実験レベル 「使用