かねてから発がん性が指摘されていた人工芝の問題について、米政府がようやく重い腰をあげた。2016年2月12日、米消費者製品安全委員会は環境保護局、疾病対策センターと共同で人工芝の充填(じゅうてん)剤の原料として使われている廃タイヤの化学物質の危険性について調査を開始すると発表した。 米メディアでは、人工芝の健康被害について報道が相次いでおり、今回の政府の調査開始は、事実上、がんとの関連性を認めたものと受け止められている。 女子キャプテンの怒りの調査が米政府動かす 米国では、子どもの公園から学校のグラウンド、アメリカンフットボールのスタジアムまで、いたる所で人工芝が使われている。人工芝の充填剤には、廃タイヤから作られるゴムチップが多く使用され、ゴムチップにはベンゼン、カーボンブラック、鉛などが含まれている。国際がん研究機関の発がん性リスク評価では、ベンゼンはグループ3(発がん性が分類できない