日本感染症学会と日本化学療法学会は2日、塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症経口薬「ゾコーバ」の緊急承認などを求める提言を共同で加藤勝信厚生労働相に提出した。1週間の国内新規感染者数が6週連続で世界最多となる中、軽症者にも投与できる抗ウイルス薬の必要性を訴えている。 提言の中で両学会は、新型コロナ変異株の出現で抗ウイルス効果を重視する必要があり、発症後数日でウイルス量がピークに達するまでに抗ウイルス薬による治療が開始できれば、より高い効果が得られると強調。早期にウイルス量を低下させる抗ウイルス薬への緊急承認制度の適用や承認済み抗ウイルス薬の適応拡大を真剣に検討すべきで、「国の決断が求められる」と述べた。 同日夕に記者会見した日本化学療法学会の松本哲哉理事長は、「緊急承認の下に本来承認されたであろう『ゾコーバ』が残念ながら見送りになり、承認されればもっと多くの人を救えた」と発言。感染が広がる