『静かな終末 (竹書房文庫 ま 8-1)』 眉村 卓,日下 三蔵,まめふく 竹書房 1,430円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 眉村卓『静かな終末』(竹書房文庫) 眉村卓のショートショート集。単行本未収録、あるいは文庫本に一度も収められたことのない作品を中心に、50篇が選ばれている。作家活動初期(デビューは1961年)のものばかりで、もっとも新しい作品でも1970年発表作だ。 この作家の重要な作品はすべて既刊の作品集に収録ずみで、本書は落ち穂拾いのようなものだろう......と思っていたが、「傾斜の中で」(筒井康隆編集の同人誌〈NULL〉5号初出)を読んで腰を抜かした。傑作である。 主人公の啓介は社員二十人の不動産会社に雇われ、鉛製の耐原爆住宅を設計している。計画性のある事業ではなく、社長の道楽のようなもので、啓介も臨時雇いの身分
「ねらわれた学園」などのSF小説で知られ、昨年11月3日に85歳で死去した作家、眉村卓さんが死の4日前に書き終えた遺作「その果てを知らず」(講談社)が、没後1周年に刊行された。日本の「SF第一世代」として活躍した軌跡、晩年の闘病、病床で見た幻覚などを描いた自伝的長編小説。生と死、現実と非現実の境界とは…。SF小説の名手が最後に至った世界観が明かされる。(横山由紀子) 眉村さんは、会社勤めの傍らSF同人誌「宇宙塵(じん)」に参加し、昭和36年に「下級アイデアマン」が空想科学小説コンテスト(現ハヤカワSFコンテスト)に佳作入選しデビュー。「なぞの転校生」「ねらわれた学園」、短編集「妻に捧げた1778話」がベストセラーとなり、映像化でも人気を集めた。平成24年に食道がんの手術を受け、転移や再発と闘ってきた。治療を受けながら死の直前まで執筆を続け、本紙朝刊の読者投稿「朝晴れエッセー」の選考委員を玉
過去の日本SF大賞 第40回日本SF大賞 受賞のことば 第40回日本SF大賞 受賞のことば 2020年4月22日公開 | 2019年4月・SF大賞フェア店にて配布された冊子より SF大賞に選んでくださってありがとうございます。いろんなものをありったけ盛り込んだ話なので、選考委員の方も読むのが大変だっただろうと思います。イラストの富安健一郎さんにもお礼申し上げます。読んだ人はみんな実感すると思いますが、この話の顔は二巻表紙の、あの「競技場」です。以降、細密で絢爛なイラストの数々で、《天冥の標》ワールドを作り上げてくださいました。心から感謝します。(最終巻あとがきでお名前を挙げ忘れていました。すみません、この場を借りてお伝えします!) そして、ここまで応援してくださったファンの方々に一番感謝します。他のどの作品にも増して、この長い話は、おりおりのみなさんの声に支えられた話でした。実際私は話の後
稲葉振一郎(いなば・しんいちろう)明治学院大教授 1963年生まれ。専門は社会哲学。著書に『銀河帝国は必要か? ロボットと人類の未来』、『AI時代の労働の哲学』ほか。 眉村卓さんが亡くなった。大阪に根を張った、いわゆる日本SF第一世代に属する作家であり、50代前後の方ならば、何度も映像化された『なぞの転校生』『ねらわれた学園』などのジュブナイルSFの大家としても記憶されていることだろう。 やはりSF第一世代の故星新一氏と並ぶショートショートの名手としても知られ、ことに闘病中の奥様を励ますために一日一編のペースで書きつがれた連作をめぐる『妻に捧げた1778話』は、やはり映画化されて我々の記憶に新しい。 ただ、ここで紹介したいのは「インサイダー文学」の書き手としての眉村氏のことだ。勤め人経験のあるSF作家はもちろん眉村氏だけではない。しかしながら芸術家、職人たる作家は、現代社会のメインストリー
「ねらわれた学園」などのSF小説で知られる作家の眉村卓さんが誤えん性肺炎のため、3日朝、亡くなりました。85歳でした。 眉村さんは「まぼろしのペンフレンド」や「ねらわれた学園」など、少年少女向けのいわゆる「ジュヴナイルSF」を数多く発表し、昭和54年には人類が宇宙に進出した未来に植民地の惑星で展開される人間模様を描いた「消滅の光輪」で泉鏡花文学賞を受賞しました。 また、がんで闘病中だった妻の悦子さんを励ますため、毎日一話ずつ書き続けた作品は話題になり、「妻に捧(ささ)げた1778話」として出版され、映画にもなりました。 家族によりますと、眉村さんは数年前からがんを患い、先月8日から体調を崩し入院していました。 亡くなる直前までベッドの上で執筆活動を続けていたということです。
SF小説「ねらわれた学園」や短編集「妻に捧(ささ)げた1778話」などで知られる作家で、本紙朝刊1面の読者投稿「朝晴れエッセー」の選考委員を務める眉村卓(まゆむら・たく、本名・村上卓児=むらかみ・たくじ)さんが3日午前4時1分、誤嚥(ごえん)性肺炎のため大阪市内の病院で死去した。85歳だった。通夜は8日午後6時、葬儀・告別式は9日午後0時半、大阪市阿倍野区阿倍野筋4の19の115、やすらぎ天空館で。喪主は長女、知子(ともこ)さん。 昭和9年、大阪市出身。大阪大学経済学部を卒業後、会社員として勤務する傍らSF同人誌「宇宙塵(じん)」に参加、36年に「下級アイデアマン」が「SFマガジン」の「空想科学小説コンテスト(現ハヤカワSFコンテスト)」に佳作入選し、デビュー。40年から専業作家となり、54年に「消滅の光輪」で泉鏡花文学賞と星雲賞を受賞した。 SF作品にとどまらず、短編やエッセー、中学生向
「アメトーーク!」でAmazon本ランキングに異変!? たった1ページで光浦靖子を号泣させた小説がランクイン! 世間で注目を集めている商品が一目でわかるAmazon「人気度ランキング」。さまざまなカテゴリの注目商品がわかる同ランキングだが、商品数の多さゆえに動向を追いかけられていない人も少なくないだろう。そこで本稿では、そんなAmazon「人気度ランキング」の中から注目の1カテゴリを厳選。今回は「本」のランキング(集計日:11月17日、昼)を紹介していこう。 出典画像:「アメトーーク!」公式サイトより 「アメトーーク!」で紹介された実験的過ぎる小説 ●1位『オリジナリティ 全員に好かれることを目指す時代は終わった』(本田直之・著/日経BP社・刊/1620円) ●2位『【Amazon.co.jp限定】横山だいすけ フォトブック げんきよ! とどけ! だいすけお兄さんの世界迷作劇場 複製サイン
2017年05月10日16:53 by 東京創元社 今年の年刊日本SF傑作選の収録作品を発表いたします! カテゴリSF 2008年からスタートした『年刊日本SF傑作選』は、おかげさまで今年10冊目を迎えます。 ということで、いつもよりひと足早く、目次を公開いたします! 『行き先は特異点 年刊日本SF傑作選』目次 (収録順・敬称略) 序文(日下三蔵) 藤井太洋「行き先は特異点」 円城塔「バベル・タワー」 弐瓶勉「人形の国」 宮内悠介「スモーク・オン・ザ・ウォーター」 眉村卓「幻影の攻勢」 石黒正数「性なる侵入」 高山羽根子「太陽の側の島」 小林泰三「玩具」 山本弘「悪夢はまだ終わらない」 山田胡瓜「海の住人」 飛浩隆「洋服」 秋永真琴「古本屋の少女」 倉田タカシ「二本の足で」 諏訪哲史「点点点丸転転丸」 北野勇作「鰻」 牧野修「電波の武者」 谷甲州「スティクニー備蓄基地」 上田早夕里「プテロ
eBigComic4小学館発行のオリジナル新作と、 漫画雑誌ビッグコミック4誌の名作が、無料で楽しめます! eBigComic4サイトは、ebookjapanサイトに移行しました。 引き続きeBigComic4の作品をお楽しみいただけます。 ebookjapanサイトへ
本紙のインタビューに答えるSF作家の眉村卓さん=26日午後、大阪市浪速区の産経新聞大阪本社(彦野公太朗撮影) 眉村卓さん(82)が、老齢期の男性たちにふりかかる奇妙な日常をつづった書き下ろしの短編集『終幕のゆくえ』(双葉文庫)を刊行した。人生の黄昏(たそがれ)時を迎えた者たちに訪れる奇妙であやしい出来事、寂寥(せきりょう)や老いへの開き直るような心境を、ベテラン作家ならではの軽妙なタッチで描き出す。 短編20編の主人公は、いずれも60代以上の男性で、若者は一切登場しない。社会とのつながりが断たれ、人生の終盤にさしかかった孤独感や諦念がにじむ。「モーロクファンタジーですね」と小さく笑う。 主人公たちが迷い込むのは、自身の実体験が虚実ない交ぜとなった奇妙で怪しげな世界だ。たとえば、自宅で突然気分が悪くなり、死を覚悟するライター稼業の男性が登場する「スガララ・スガラン」。前後不覚となりながらも、
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