武田薬品工業は21日、慢性気管支炎患者らに使われる消炎酵素剤「ダーゼン」(一般名・セラペプターゼ)を自主回収すると発表した。たんを切るなど薬の効果が認められなかったのが理由という。この薬は40年以上使われ、2009年の国内の売り上げは67億円に上っていた。 ダーゼンは、気管支炎や気管支ぜんそくで、酵素によってたんの粘り気を減らしてたんを切る効果や、足首のねんざで腫れを引く効果があるとして、1968年に承認された。しかし、同社が00〜09年に行った試験で、たんを切るなど薬の有効性が証明できなかった。 同社によると、全国の病院や診療所約2万3千軒、薬局約4万6800軒に納入されているという。