青空文庫で読める隠れた名作選 ■小説(発表年順) 山田美妙「武蔵野」 明治20年 約36枚 秋の武蔵野を背景に、時代を南北朝時代の武士の抗争にとった悲劇的歴史小説。斬新な言文一致体で、当時の読者に強烈なインパクトを与えた。 巌谷小波「こがね丸」 明治24年 約83枚 近代日本における最初の少年読物であり、児童文学史上における記念碑的作品。 川上眉山「書記官」 明治28年 約50枚 社会の暗黒面を描いた、いわゆる「観念小説」の代表作品で、官僚や資本家の腐敗を題材としている。作者は明治41年に自殺。 広津柳浪「今戸心中」 明治29年 約106枚 吉原の遊郭を舞台とした作品で、愛欲のもつれから破滅していく人間を描いている。 徳冨蘆花「不如帰」 明治31〜32年 約377枚 幸せな結婚生活が、肺結核により崩壊していくさまを描いた悲劇小説。尾崎紅葉の「金色夜叉」と並ぶ、明治期の