窓から入ってくる風が気持ち良すぎる
ロシア軍の攻撃が続き、ますます悲惨さを極めているウクライナ情勢。3月29日からは、トルコにて両国の代表による停戦交渉が進められています。1日も早い停戦が望まれる一方で、なぜこのような事態に至ったのか、経緯と背景を理解しておく必要があるのではないでしょうか。国際政治学者の羽場久美子氏がウクライナの独立にまでさかのぼって解説します。 東西に分断された国家 ウクライナは歴史的にも民族的にも、西と東に分断されている国家だ。20世紀初頭までは西側はポーランドやハンガリー、あるいはその前はハプスブルグ帝国の版図に入っていた。 一方で東側は長らくロシア帝国領であったため、西と東で意識がまったく違う。西部はカトリック教徒が多くヨーロッパ意識があり、東部はロシア語話者が3割、正教徒が多く、ロシア文化圏に属していた。さらに南部は海洋商業地域ということで、ユダヤ人、ムスリムなど多様な民族が黒海で活躍していた。
大西洋のロストシティー熱水噴出域にある高さ約30メートルのチムニー。海底の熱水噴出孔では、地球上に生命が出現する鍵となった可能性のある単純な有機分子が急速に生成している。(PHOTOGRAPH BY D. KELLEY & M. ELEND, UNIV. WASHINGTON INST. FOR EXPLORATION/URI-IAO/NOAA/THE LOST CITY SCIENCE TEAM) マルクス・ラルザー氏は、生命の起源を研究するつもりではなかった。氏は主に、細胞が養分を取り込むプロセスや、このプロセスがストレスや病気によってうまく働かなくなる仕組みを研究していた。しかし10年ほど前、英ケンブリッジ大学に在籍していた氏のチームは、まったくの偶然から衝撃的な発見をする。 ラルザー氏らは当時、「解糖系」を研究していた。解糖系とは、細胞が利用できる形やエネルギー源になるように、体内
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