週刊誌「ニューヨーカー」を手にすると、私はいつも静かで満ち足りた気持ちになる。それは同誌が、喧騒を離れ、じっくり読み考える充実の時間を約束してくれる雑誌だからである。 私は同誌を手にすると、まず美しくウイットに富んだ表紙を楽しむ。そして、一通りめくって、カートゥーンでウォーミングアップしながらどんな記事が載っているかを確認する。ついで、The Talk of the Townに掲載されたエッセイを読み、長文記事へと進む。 自分の関心のあるテーマを扱った記事はもちろん、興味のないテーマを扱った記事も必ず1本読む。というのは、興味のないテーマの記事であっても、書き手の視点に接し、丁寧に積み重ねられたファクトを追うにつれ、頭に思考回路ができ、うなずいたり、それは違うだろうと思ったりしている自分に気づくからである。こうした楽しみは他の雑誌では味わえない。 81万部から103万部に 「ニューヨーカー
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