先週の経済学史学会関東部会で報告した。ほぼ10年ぶりの部会報告(本大会では『経済政策形成の研究』に結実するフォーラムを主宰したのが直近の体験)だったと思うが、参加者の面子もこの10年でかなり変化していて、諸先輩方をあまりみかけなくなった。世代交代が静かに進行しているのだろう。 今回の報告は僕自身の報告の一部分が日本ピグーの導入史とでもいうべき側面になっていたので、他の報告がピグー二本であったため、さながらピグー大会の様相を呈していた。僕自身はピグーそのものの研究者ではないし、せいぜい翻訳で何冊か読んでいるだけだ。ただ今回、出席して最も大きな収穫は、まだ読んでいなかった『回想の都留重人』(勁草書房)に収録されていた鈴村興太郎氏の「厚生経済学の実践者、都留重人」という論説がとても面白そうだということだった。 僕自身は都留重人氏については、『経済政策を歴史に学ぶ』(ソフトバンク新書)に少し書いた