トランプ政権の第一関門 米国大統領選後の「トランプラリー」は意外と長く続いている印象がある。トランプ氏が選挙期間中に言及してきた経済政策の多くが実行に移されると、米国の経済成長率が上方に押し上げられるとの期待が根強く残っているからだろう。 ところで、トランプ氏の経済政策の主体は「財政政策」である。だが、アメリカの制度上、財政政策は予算という形で、議会の承認を得る必要がある。 今回、大統領選と同時に上下院選も実施されたが、トランプ氏にとっては非常に幸運なことに、与党である共和党が上下院ともに過半数を獲得した。 そのため、トランプ新大統領は、少なくとも次回の中間選挙までの2年間は、政府と議会の間の「ねじれ現象(アメリカでは「Divided Government(分割政府)」といわれる)」を経験せずに政策立案を行うことができる。ブッシュ大統領もオバマ大統領もこの「ねじれ現象」で自らの政策構想を十