[Noah Smith, “Sheepskin effects – signals without signaling,” Noahpinion, December 18, 2017] 教育のシグナリング説をとびきり熱狂的に支持している面々のひとりに,ブライアン・カプランがいる.シグナリング説は彼の新著『反教育論』(The Case Against Education) で重要な役どころを担っている.でも,この説にはいくつもの難点があるとぼくはかねがね考えている.それに,教育問題への応用にも問題は多い.先日,『ブルームバーグ・ビュー』に書いた記事では,ブライアンが『アトランティック』に掲載したエッセイへの反論を述べた.このエッセイは,『反教育論』の一部を抜粋したものだ.さて,ブライアンはぼくの文章に反論している.彼はいくつも面白い論点を立てているけれど,ここでは1つの問題だけをとりあげたい