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『スティーブ・ジョブズ』に出てくるジョブズの愛読本。「このうち1冊は読み通すことができませんでした」(井口さん) 伝記『スティーブ・ジョブズ』は10月24日に発売されてから、すぐに日本でもⅠ、Ⅱ巻累計で100万部を超えた。爆発的な売れゆきと同時にアマゾン・ジャパンのカスタマーレビューで、翻訳本の出来が「評価」されるという異例の反応があった。世界同時発売によるドタバタぶりなどその裏話を、翻訳した井口(いのくち)耕二さんに聞いた。 [アメリカから送られて来た原文を写真特集で] 井口さんと作業部屋 カスタマーレビューには読みやすい翻訳への賛辞も多かったが、「誤訳」を指摘する書き込みもあった。英語版と日本語版をいち早く読み比べた読者が書き込んだものだった(後に削除)。 指摘に気づいた井口さんが、11月5日に自身のブログでそれぞれの項目について自分の考え方をコメントし、「狭義の誤訳」(解釈の間違い)
「悲惨すぎる翻訳-『アインシュタイン その生涯と宇宙』」などで先日取りあげた本と同じ著者ということもあり、今回の『スティーブジョブズⅠ・Ⅱ』の翻訳については、世間的に多少、取りざたされたりしたようです。今度も機械翻訳で出てくるなんてことはないんだろうねっていうわけです。 験が悪いと思う気持ちはわかりますが……どういう翻訳になるのかに著者は関係ないので杞憂というべきでしょう。 いや、まあ、著者によってはわかりにくい文章を書く人もいれば明快で訳しやすい文章を書く人もいるので、著者によって決まる側面がまったくないとは言いませんが。でもやっぱり、翻訳の質を決める最大の要因は翻訳者であり、そこから大きく下がって次が編集さんでしょう。 あと、今回は「世界同時発売」を実現するため、いろいろと無理をしたのではないかという心配も散見されます。機械翻訳まで行っちゃうなんてことはなくても、人海戦術の共訳なんじゃ
ギャンブルやバカラの本は人気上昇中です。ギャンブルに関する本の出版社を無視してギャンブルについて語ることはできないでしょう。こういった本は、読み出すと本当に面白いものです。世界中には多くの出版社があり、その数を数えたり、ひとつひとつ解説するのは不可能です。しかしここでは、ギャンブルに関する良質な書籍を出版している人気の出版社をご紹介します!他にもご紹介したい出版社はたくさんありますが、ここでは数社に限定しています。 (more…) ギャンブルやバカラの本は人気上昇中です。ギャンブルに関する本の出版社を無視してギャンブルについて語ることはできないでしょう。こういった本は、読み出すと本当に面白いものです。世界中には多くの出版社があり、その数を数えたり、ひとつひとつ解説するのは不可能です。しかしここでは、ギャンブルに関する良質な書籍を出版している人気の出版社をご紹介します!他にもご紹介したい出版
読者からのタレコミによると、株式会社武田ランダムハウスジャパンが2011年6月に発売した「アインシュタイン その生涯と宇宙」上下巻のうち、下巻の内容になんと機械翻訳された部分が含まれており、回収騒ぎになってしまったようです。しかもこの件に関わった翻訳者がAmazonのレビューで事情を詳しく説明しており、普段はあまり表沙汰になることのないトラブルの中身がわかるようになっています。 まず、これがお詫びの文章。 武田ランダムハウスジャパン - お詫びとお知らせ http://www.tkd-randomhouse.co.jp/news/index_0701.html 平素は小社刊行物をご愛読いただきまして、誠にありがとうございます。 この度、本年6月に発売いたしました『アインシュタイン その生涯と宇宙』上下巻のうち、下巻の一部に校正・校閲の不十分な箇所がございました。読者の皆様には多大なるご迷惑
今回の文章を書こうと思ったのは、マガジン航に掲載された大原ケイさんの「2011 ロンドン・ブックフェア報告」がきっかけである。 この記事の最後に「日本は出版コンテンツにおいても「情報後進国」」として、以下のようにある。 それより、気になるのは相変わらずの出版不況が伺える日本。どの版権担当者に、どの本のことを問い合わせても「えーとね、中国と韓国の版権は売れちゃってる(=既に翻訳されて刊行される予定がある)けど、日本語版権は空いてるわよー」という返事が返ってくる。これは純文学系のフィクションでも、最新のコンピューター専門書でも同じ。 ロンドン・ブックフェア2011報告 « マガジン航[kɔː] 今更だが、これは由々しき事態だと思う。何でも翻訳すればいいというものではないが、質は一定以上の量に担保されるとワタシは考える。近年日本人の内向き志向についてとやかく言われるが、日本の翻訳文化まで細るのが
小林浩「翻訳出版の理想と現実」 2011年02月02日20:00 担当者より:月曜社にて多くの人文書を手がけられている小林浩さんが、翻訳出版に関して2007年に書かれた原稿です。その前に書いていただいた「新訳ブームの流れを読む」を踏まえて読んでいただければ幸いです。また、小林さんが手がけられたイヴ=アラン・ボワ、ロザリンド・E・クラウス『アンフォルム』は発売されたばかり。そちらも要チェックです。 配信日:2007/12/12 半年ほど前、編集部のKさんに請われて、「古典新訳ブーム」について書いた。その末尾で言及した「翻訳出版の理想と現実」について寄稿してみないかとのお誘いがあったので、その一端を述べてみようと思う。 私は先の寄稿で「再刊、復刊されていいはずの名著古典は相当数ある。絶版にしたままでは先人の苦労が浮かばれない」と書いた。ひとくちに「翻訳出版の理想と現実」と言っても実際は様
第5回 この連載では、いろいろと出版の裏側をお話ししています。 なんだか不景気な内容ですみません。でも、こういった点を知っていただければ、いわゆる「出版不況」についても理解を深めていただけるのではないかと思うのです。 さて、前回までは、出版社が本を売るということについてのあれこれをお話ししてきました。今回は、このサイトの趣旨を踏まえ、翻訳文芸の出版に踏みこんでみましょう。 翻訳出版では、海外の商慣習にあわせなければならないため、さまざまなメンドウがあるのです。 翻訳出版をやるうえで、日本の出版社にとっていちばん大きいのは「アドバンス」の存在でしょう。 アドバンスとは、「印税前払金」などと訳すように、印税の一部(超過する場合もありますが)を著者に先に支払っておく制度です。 印税は、定価と部数が決まってはじめて割りだせます。日本では、出版の最終段階でようやく印税額が決まり、本が出てから(つまり
このあいだアマゾンで本を注文したら、わたしの「買い物傾向」から類推したらしい4冊の本がかたじけなくも「推薦」されていた。そのラインナップを見てちょっとうなってしまった。4冊の本とは、フリオ・リャマサーレス『黄色い雨』、ロベルト・ボラーニョ『通話』、山尾悠子『歪み真珠』、イタロ・カルヴィーノ『不在の騎士』。もちろんすでに持っている本ばかりだが、買ったのはアマゾンで、ではない。なにか見透かされているような感じ。 さて過日、わが敬愛する先輩編集者Fさんと中央線沿線の焼鳥屋で一献傾けていたときのこと。むろん傾けていたのはFさんで、下戸のわたしは専ら食うほうに専心していたのだが、如何なるゆくたてか名文悪文の話になり、わたしが読んだばかりの久世朋子さんの『テコちゃんの時間』*1がいかにすばらしい文章で書かれているかを力説し、そのついでに、そういえば早稲田文学の増刊の対談で古井由吉さんが芥川の「歯車」に
数々のビデオゲームの翻訳に携わってきた者として、ゲーム翻訳家になるための心構えを一つ述べさせていただきたいと思います。 職業柄、私はよく海外のビデオゲームの日本語版をプレイすることがあります。そして、これも職業柄、そういったビデオゲームをプレイしていると、どうしても翻訳の精度に目がいってしまいます。人間の書く文章というのは面白いもので、ゲーム翻訳にどっぷり浸かった日々を、日本の首相が何代も入れ代わるくらい長い間(?)送っていると、翻訳された日本語テキストを読むだけで、そのテキストを翻訳した方の人物像がだんだんと見えてくるようになるのです。もちろん、美人かどうかとか、お酒が強いかとか、そういった問題じゃありません。具体的には以下のような事柄です。 (1) 翻訳の学習経験、実務経験があるかどうか (2) ソース言語の理解力が高いかどうか (3) 海外のゲームをたくさんプレイしているかどうか
来る12月5日の第11回文学フリマにおいて、当シンジケート協賛の電子書籍が刊行されます。タイトルは『サバービアとミステリ 郊外/都市/犯罪の文学』。それを記念して、本サイトでは同書の一部を抜粋掲載いたします。少々長い記事になってしまいますが、ぜひご一読いただければ幸いです。 全長版は当面「文学フリマ」における対面販売のみですが、後日インターネットからのダウンロード販売も予定しております。本書の前編にあたる『”この町の誰かが”翻訳ミステリファンだと信じて』も同様に販売の予定です。 それではどうぞ、お楽しみください。 ====================== ■はじめに 2010年11月22日、都内某所で座談会が開かれました。この電子書籍はその一部を抜粋収録したものです。出席者は、川出正樹と霜月蒼、杉江松恋というミステリ愛好家の三人。これだけでは視点がすべてマニアの内向きなものになりはしな
第11回文学フリマ U-01 「松恋屋」 『サバービアとミステリ 郊外/都市/犯罪の文学』抄録 ※以下は、12月5日開催の第十一回「文学フリマ」で頒布される電子書籍の序文と内容の一部を抜粋したものです。独立した読物として楽しんでいただくことができますが、全貌を知りたい方はぜひ「文学フリマ」U-01「松恋屋」へお越しください。 また、別の部分が翻訳ミステリー大賞シンジケートでも抜粋の形でお読みいただけます。是非こちらもご覧ください。 >>翻訳ミステリー大賞シンジケートの記事へ ■はじめに 2010年11月22日、都内某所で座談会が開かれました。この電子書籍は、その全容を収録したものです。出席者は、川出正樹と霜月蒼、杉江松恋というミステリ愛好家の三人。これだけでは視点がすべてマニアの内向きなものになりはしないか、という懸念から米光一成氏に冷静な審査者として加わっていただきました。 このメンバー
沼野(以下 ぬ):沼野です。今日は私が進行役でウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』の新訳を手がけられた若島さんにいろいろお話をうかがいたいと思います。よろしくお願いします。『ロリータ』が若島さんにとって非常に重要な作品であるということは、今までもいろいろなところでお書きになったり話をしておられましたが、今回翻訳されることになった経緯といった辺りからお話をお願いします。 若島(以下 わ):若島です。実際に翻訳のお話をいただいたのは1年前くらいですね。『ロリータ』の版権については昔からいろいろと噂があって、出版社が持っているのか、訳者が持っているのか、どうなっているのか実際確かめてみないと分からなかったんです。ですから個人的には『ロリータ』を訳してみたいという気持ちは以前からありましたが、現実問題として翻訳出来るかどうか分からなかったですし、まさかこういう話をいただけるとは本当に思っていませんで
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