竹内研究室の日記 2019 | 01 |
青色レーザーダイオードを実現した赤崎先生、天野先生、中村修二さんがノーベル賞を受賞されました。本当におめでとうございます。 特に中村修二さんは企業(日亜化学)での仕事で受賞したわけですから、私は中村さんよりも下の世代ですが、企業で技術者だった私は大変勇気づけられました。 大変失礼な言い方をすると、赤崎先生は偉すぎて雲の上の存在ですが、中村修二さんならひょっとしたら自分もなれるかもと、企業などで実用研究をしている技術者にも思われるところがあるのが、今回のノーベル賞は良いですね。 また実は私は学部、修士の時に青色レーザーに関連する研究をしていたので、昔(学生時代)を思い出して感慨もひとしおです。 当時は青色レーザーを目指して、今回受賞したGaNとZnSeが激しく競争。いずれの陣営も日本の企業・大学が中心で、「日本を制したものが世界を制する」という、日本の黄金期でした。 私は「負け組」であるZn
中村修二さんの青色LEDや私の元上司である舛岡先生のフラッシュメモリなど、発明者が特許の対価を求めて古巣の企業を訴えることが相次いだ時代がありました。 こういった元従業員からの訴訟のリスクを避けるため、特許を現行の発明者ではなく企業に帰属するように法改正する、という動きがあるようです。 この法改正によってエンジニアのやる気が奪われるのか? 結論を先に言うと、さして変わらないと思います。 むしろ、アメリカ企業と同様になると、特許を書くモチベーションは高まるかもしれません。 まず、現在の特許が発明者に帰属するという法律下でも、特許によって成功報酬としてエンジニアに補償金が払われるのは実際はそう多くないという現実があります。 特許は書くだけでは単なるコスト(出願にも維持にもお金がかかる)です。 そして、特許を自社で使うだけでも不十分。 例えば、ものすごくマニアックな技術を開発し、自社だけしか利用
東芝をやめて大学に移ってから7年が経ちました。大学に移った当初は全く研究資金が無くて金策に走る毎日。そうしているうちに助けて下さる方いて、何とか研究室を立ち上げることができました。 当時はまだ日本の半導体はそれなり頑張っていたので、半導体産業への期待という意味で国家プロジェクトが立ち上がり、その恩恵も受けました。 おかげさまで研究室が立ち上がり、研究スタッフも集まり、多くの方のご支援のおかげで、自分では思ってみないほどの成果をあげられました。 まさか毎年ISSCCで発表できるなんて、思ってもみませんでした。 研究はとても好調ですが、実は今、予想外の逆風にさらされています。 自分の研究は順調だし、古巣の東芝のフラッシュメモリ事業も絶好調、ビッグデータを蓄えるストレージ産業も絶好調。自分の周辺だけは何の問題もありません。むしろ、状況は良くなる一方。 ところが、気付くと、周囲の他の日本の半導体や
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く