暑さを文字通り洗い流すような激しい夕立が雷を伴って真っ黒い雲から放たれ大粒の雨が地面で飛び跳ねる様子を、まるでお祭り騒ぎだなあ、なんて窓の外を眺めていた。祭りの終わりを告げる花火が連続して打ち上がるように、稲光がビカビカと明滅してラストの稲妻がすぐ近くの避雷針目掛けて打ち下ろされた。凄まじい轟音と辺り一面が閃光に包まれた。 黒い雲のキャラバンはゴロゴロ言いながら東の街へと旅立っていき、空を覆う雲の隙間から水色の空が見てとれた。名残惜そうにパラパラと降っていた雨がようやく止むと涼しい風が吹き始めて、半ソデ短パン姿にはちょっと肌寒かったけれど車の幌を畳んだ。人も車も涼しいぐらいが調度いいようで高速道路をいい感じでチンタラ走った。西の空が白くなってきていた。 僕は夏のああいう夕焼けのない薄い水色の空が好きで、陽が翳ると青い空が白く煤けていって気付かないうちに紺色になっていく空が好きだ。夕焼けも綺