「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」(上)とJR各務ケ原駅の案内板。「ケ」の表記は大きい=ともに各務原市内 記者必携の「記者ハンドブック」(共同通信社刊)の「紛らわしい地名」一覧に、岐阜県の項目で唯一エントリーするのが「各務原」と「各務ケ原」。前者は「かかみがはら」と読み「正式」とされ、後者は「かがみがはら」と読み「JRの駅名」とある。他に「かかみはら」「かがみはら」と読む場合も。なぜ表記の揺れ、読みの揺れが生じたのか。中山道が鍵の一つになったとみる専門家がいる。 「各務原」という地名の「各務」の由来は、7世紀ごろにこの地を治めた渡来系の豪族が「各牟(かかむ)」を名乗ったのが変化したもの、と話すのは各務原の歴史を研究する同市教委事務局文化財課長の西村勝広さん(56)。現在の各務原市北東部にある各務山から北側の、山々に囲まれた地域はその後「各務村」となり、集落をなした。古代に銅鏡を作る人々が住