登山の際、気をつけるべきヒグマに関する記事の後編です(前編はこちら。記事最終ページ下の「関連記事」からもご覧になれます)。 2001年5月6日午前、札幌市の会社員Bさん(53・当時)は、定山渓の豊羽鉱山付近に「アイヌネギ(ギョウジャニンニク)を採りにいく」と行って出かけたまま、行方不明となった(Bさんの車は、その日の夕方、Bさんの家族によって発見された)。翌日、地元の警察や消防、猟師などからなる捜索隊がBさんの車があった付近を中心に捜索したところ、山中でヒグマ1頭を発見し、射殺。その近くでBさんの遺体を発見した。 遺体はうつぶせの状態で、腰から下が土で覆われ、頭部と上体部は裸出し、両手は胸の前に交差するように組まれていた。腹部、臀部、上下肢などを中心に食害された痕があった。 “札幌の奥座敷”で起きた特異な事件 「このケースは典型的な食害目的、つまりヒグマが人間を食べるために襲ったケースです