「ブラック企業はIT業界では随分淘汰されたと思いますよ」。いわゆる“ホワイト企業”の大手SIerの経営者はそう語った。ある新春パーティの場で立ち話をした時のことだ。「その認識は甘いのでは」と言おうとしたが、おめでたい席で暗く険悪な話をすることもなかろうと思い直し、その人がいるテーブルを離れた。ただ、これからの2年は技術者が不足する。この企業を含め、SIerはブラック企業の“お世話”にならずに済むのだろうか。 最近、社会問題化している「ブラック企業」だが、IT業界では四半世紀以上も前から続く根深い問題だった。ブラック企業とは一般に、従業員に低賃金で過酷な労働を強い、かつ平気で使い捨てにする企業を指す。もちろん「過酷な労働」は良くないことに決まっているが、IT業界ではプロジェクトの修羅場が避けられないので、それをもって決め付けるわけにはいかない。だが残りの二つで、それこそ“ブラック認定”してよ
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