家畜伝染病、口蹄疫(こうていえき)の問題で、宮崎県新富町の農家で6月25日に口蹄疫に似た症状の牛1頭が見つかった際、県が検査を実施しないまま殺処分していたことがわかった。県は「口蹄疫ではないと判断した」とするが、農林水産省は「可能性があるなら検査すべきだった」としている。 農水省によると、この牛が見つかったのは約500頭を飼育する農家。5月24日にワクチン接種を終えていた。6月25日に県家畜保健衛生所の家畜防疫員や獣医師らが殺処分を進めていたところ、1頭に口蹄疫に似た症状が見つかった。家畜防疫員は現場にいた獣医師を集めて「県に相談するから作業は進めて」と指示し、この牛も含めてすべての牛がその日のうちに殺処分されたという。 農水省が今月、現場にいた獣医師らに事情を聴いたところ、「口内にびらんのような症状があり、口蹄疫の可能性はあると感じた」と証言。一方、県は「赤い斑点など軽微な症状の牛が