2023年4月、政治団体・大阪維新の会をけん引してきた松井一郎氏が大阪市長の任期を終えて政界を去った。大阪府議時代に自民党を飛び出し、盟友の橋下徹氏と創設した組織を統率。「身を切る改革」を党是に、党派色を前面に出して大阪府知事や大阪市長のポストを独占し、地方行政の運営に一石を投じた。10年余りの「維新政治」を考える上で、松井氏は欠かせない存在だった。 前回、岸田首相の減税について思うところを語ってもらったが、今回は政治家を引退し、現在の日本維新の会が民間人目線でどう見えているのか聞いた。 議員を引退してから見える維新の会は「他の党に比べたらマシ」 民間人になってから今の維新を見て思うのは、「他の党に比べたらマシ」ということです。その差というのは、自分が以前所属していたからというわけではなく、「身を切る改革」をまだやっているから。選挙になると、自民党だろうと共産党だろうと、どこも一つだけ同じ