20日の土用の丑(うし)の日を前にウナギの取引価格の高値が続き、専門店の多くが値上げに追い込まれている。厳しい暑さが続く中、ウナギを食べてスタミナをつけたいところ。しかし、値上げは消費者の財布を直撃するだけに、専門店ののれんをくぐるのも容易でなくなってきた。【藤渕志保、加藤明子】 「値段が高くなって懐には痛いね」。3連休の中日の15日夕、孫娘と一緒に東京・日本橋の専門店でうな重を頬張っていた群馬県太田市の元公務員、梶原克雄さん(73)はそう言うと苦笑した。ただ、「ウナギは夏の風物詩」と指摘した上で、「孫にも日本ならではの季節に合った食の楽しみ方というものを知ってほしい」と来店したという。 千葉県成田市でウナギの卸と専門店「うなぎ新川」を経営する「光輝」の西勝光治社長(69)は「今年は仕入れ値が大幅に上がった」とため息をつく。「問屋なので安く提供できるのが強みだった」があまりの高値に創業以来