リサーチフロントとは,「強い共引用関係によって結び付けられる高被引用論文(Highly Cited Papers)グループ」を指す。それらの論文グループが示すのは確固たる名前のついた研究分野として確立する以前の「先端研究領域」と考えられる。本稿ではリサーチフロントの概念を解説し,この手法によりどのような研究評価が可能かを考察する。そして,過去3回行われたトムソン・ロイターの「リサーチフロントアワード」を振り返り,その意義と日本の研究の萌芽を紹介する。リサーチフロントの概念は,国の重要な科学技術関連資料に取り入れられている。研究機関・大学の研究評価のためのビブリオメトリックス手法の1つとして,インフォプロにとっての活用例を紹介する。