世界にはさまざまな日本語がある.新天地を求めて移住した日本人とその子孫の使う日本語.日本による統治下で日本語教育が行われ,日本人が去っていった後で,現地の人々の共通言語として使われるようになったことば.ハワイ,カナダ,ブラジル,台湾,パラオ――現地の人々の生活に今も息づく,ニホンゴをめぐる旅へ! ■編集部からのメッセージ 小学校5年生の頃,隣の席の男の子がブラジルからの転校生でした. おじいさんが日本人とのことでしたが,初めはほとんど日本語を知りませんでした.担任の先生が,「ボンディア」などポルトガル語の挨拶の言葉を紙に書いて,黒板の横に貼りました.それを使ってみたのが,外国語でコミュニケーションした初めての経験だった気がします. 本の編集段階で,神戸の「移住ミュージアム」や横浜の「海外移住資料館」に足を運び,明治以降日本語とともに海外に渡られた方が想像以上にたくさんいらっしゃったこと,そ
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