若い頃の恥ずかしい過ちというのは誰もが振り返りたくないものですが、自分にとってのそれは「文字を作る」ことでした。 一番熱中したのは、おそらく中学二年生の頃。まさに「中二病」です。 学生のころ、友人間だけで通じる暗号などを作り、それを授業中にこっそり回したりした、といった経験のある方も多いでしょう。 いわばその類の話なのですが、私の場合なぜか、 「すべての文字を自分オリジナルなものにして、自分だけの究極の文字体系を作ってやろう」 と思い立ち、ひたすらその作業に没頭したのです。 どうせヒマな中学生、何をやろうが勝手ですが、今考えても極めて非生産的な活動でした。 別に友人と共有するわけでもなく、ただ自分の書きたいことを書くばかり。さらに、その文字で授業のノートを取り、後でそれが読めなくなるに至っては、もはや実害です。 青春の一ページというよりは、青春のページをムダに破り捨てた中学時代