読み始めたのはずいぶん前のことだったと思うけれど、詩というのはなんか一気に読んだりするモノでもないのだろう、とか思ったり、ドイツ語の原文を調べたり(一応、学生時代は第二外国語が独語だったので発音は不正確ながら読めることには読める)、ツェラン自身の朗読の動画を観たりしながら読んだせいで読み終えるのに時間がかかってしまった。パウル・ツェランについて知ったのは、アドルノで卒論を書いたときに読んでいた細身和之の本だったはずで、これも長いあいだ気になってはいたのだが、手頃な値段で、今年に入るまで手に入れやすい詩集がなく、ようやく読めた感がある(とはいえ、これだって2400円もするんだけれど)。ツェランの代表的な詩と詩論のアンソロジー。これが企画されたのは、昨年の地震がきっかけだった、と編・訳者が解説で書いていて、それについては、なにか思うことがなくはない。はっきり言って、大きな事件に対してツェランを
古書店「書肆吉成」の店主である吉成秀夫さんが『アフンルパル通信第7号』(2009年3月10日発行)を私の不在中に研究室に届けてくれた。扉の下のわずかの隙間から部屋の中にそっと滑り込ませて。 この最新号に関口涼子さんの「舌の下でゆっくりと溶けていく言葉」が掲載されている。それは「誤訳」にまつわる二つの体験に基づく斬新な翻訳論のエッセンスとでもいうべき内容である。実はその二つの体験のうちの一つが、一昨年に私が指摘したこと(「舌の下に」)に関わるということもあって、吉成秀夫さんは多忙の中わざわざ届けてくれたのだった。 関口さんはこう書いている。 翻訳者は、様々な間違いをする。誤訳の種類、誤訳としてしまう理由は様々だが、私はした多くの間違いの中でも、とりわけ後まで残り、翻訳とは何かを考える種になった誤訳があった。アフガン作家、アティーク・ラヒーミーの『灰と土』を和訳したときのことだ。小説の最後に、
デザイナー死亡かるた 死亡かるたまとめ なんだか都ではやっているようなので、神保町古本祭りを記念して。 ジンをあおりながら適当に作ったものです。なんかいいネタございましたら追加しますので、Twitter(@0wl_man)宛かハッシュタグ(#海外文学死亡かるた)でご連絡ください。 #海外文学死亡かるた まとめ(Togetter) あ:あのとき買っておけば い:岩波文庫の復刊待ち う:売れ残りがどこかの書店にあるかもしれない え:英訳しかない お:オースターってヴィレバンが勧めてた作家だよね か:完訳版が出ると聞いて数年が経った き:記憶の中では買った く:クノー全集を予約すると「百兆の詩篇」がついてきます け:原文で読もうよ こ:「今年中」が「来年には」 さ:3000部 し:柴田元幸が絶賛 す:すみません、在庫が切れました せ:絶版です そ:増刷の予定はありません た:断裁処分されたと聞い
篠原 進氏(青山学院大学教授)による投稿を掲載いたします。 先日発行された、『日本文学』VOL61(2012.10)に掲載された、木越俊介氏「西鶴に束になってかかるには」に対し、【西鶴研究をより活性化するためには、その挑発に応えることも必要かと判断し、拙文をしたためました】という趣旨です。 以下、テキストを掲載いたしましたが、ルビは括弧に入れ、傍点は斜体にする処理を施しています。ですのでPDFもアップいたしました。以下でご覧下さい。 http://kasamashoin.jp/saikakurepository/20121024sinohara.pdf ■反応まとめ 木越俊介氏が発端となってはじまったやりとりは、以下に続いています。 随時更新していくつもりです。 ○篠原進氏のスピード反論(忘却散人ブログ) ○西鶴の政治性(閑山子余録) ○西鶴の政治性 続 (閑山子余録) ○応答の途(THI
2018年の平昌オリンピックにボブスレーのアメリカ選手として出場したクリストファー・キニーさんは、祖母が日本人ということもあって、子供時代から日本のことが大好きであった。大学を卒業すると日本へ移り、日本の会社に就職して陸上チームに所属していた。抜群の身体能力が手伝って成績があがり、仲間も増え、順風満帆に感じる日々を送っていた。 亀裂が入った原因は、一瞬の出来事からであった。キニーさんはバイセクシュアルである。そのことを周囲には知らせていない。身近にいて仲間だと思っていた人がそのことを知り、周囲に言いふらした。陰湿な誹謗中傷の日々の始まりである。大切な試合当日に車のタイヤをパンクさせられ、車体に「くそゲイ」「ホモランナー」などと落書きされ、部屋まで荒らされた。本人が相談に行っても警察は動かない。代わりに祖母が警察署に直訴するとピタッと止まったが、かかった時間は二年間で、心に深い傷を負った。キ
KUBOTA Nozomi:くぼたのぞみ Tokyo, Japan translator/poet 翻訳家/詩人 北海道生まれ。Born in Hokkaido. *「10年早い」といわれながらアフリカ発/系の作品等を翻訳してきてわかったこと、それはこの世界の、地球の「全体像」だった。 著書:『J・M・クッツェーと真実』『山羊と水葬』『鏡のなかのボードレール』、詩集:『風のなかの記憶』『山羊にひかれて』 『愛のスクラップブック』『記憶のゆきを踏んで』 最近の訳書に、J・M・クッツェー『スペインの家:三つの物語』『少年時代の写真』『モラルの話』『ダスクランズ』、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『パープル・ハイビスカス』『なにかが首のまわりに』『イジェアウェレへ』 主な訳書に J・M・クッツェー『マイケル・K』『鉄の時代』 『サマータイム、青年時代、少年時代』、J・M・クッツェーとポール・オ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く