縄文時代の人骨が多数出土したことで知られる岡山県笠岡市西大島の国指定史跡・津雲貝塚で、同時代の土偶の頭部が見つかり、同市教委が発表した。 土偶には目や口が描かれており、おだやかな表情が特徴。市教委は「表情のある土偶は中国地方では珍しい。土偶は呪術などに使われたとされ、縄文時代の精神世界を解明するうえで、貴重な資料だ」としている。市立カブトガニ博物館で開かれている企画展「笠岡の海のくらし」で、3月末まで展示されている。 同貝塚の範囲を確認するため、昨年12月、史跡指定地東側の休耕田を0・5メートル四方の範囲で掘削。地表から約1・6メートルの場所で縄文土器や石器などに交じって土偶の頭部を発見した。 土偶は粘土を焼いて作られており、頭部は円形で縦3・6センチ、横3・5センチ、厚さ2・1センチ、重さ26グラム。顔には短い線で目や口が刻まれ、頭頂から側面にかけてヘアバンドのように線が描かれている。下