韓国の珍島沖で沈没した旅客船セウォル号は、2012年9月まで鹿児島県奄美市の「マルエーフェリー」が所有し、鹿児島―奄美―沖縄を結ぶ定期航路で「フェリーなみのうえ」の船名で運航していた。新しい船の就役に伴って12年10月、韓国企業に売却されたという。 マルエーフェリーによると、船は1994年に長崎県内の造船所で建造され、同年6月から運航を開始。5階建てで、当時は船底に最も近い1階部分に貨物室、2階に乗用車約200台分の車庫、3階にレストランや売店などがあり、客室は3~5階部分にあったという。就役中に油漏れのトラブルが1件あったが、岩礁に衝突したり、岸壁に接触したりする事故はなかったという。 マルエーフェリーによると、旅客船は15~20年のサイクルで新造船と入れ替えることが多く、古くなった船は、需要のある東南アジア向けなどに売却される例が多いという。