占冠村のJR石勝線トンネル内で起きた特急列車の脱線・火災事故で、JR北海道の指令センター(札幌市)が車外避難を申し出た車掌に車内にとどまるよう指示し、乗客の避難開始後も「客を先頭車両に誘導したか」などと実態とかけ離れた確認を求めていたことが30日、同社への取材で分かった。同社の手順書では、乗務員が火を目視しないと「火災」と扱わないことになっており、これが災いして、指令に避難の緊急性が伝わらなかったとみられる。 同社によると、男性運転士(26)は特急「スーパーおおぞら14号」(6両編成)がトンネルで急停止した直後の27日午後10時に「(後列の)1~3号車床下から煙が入ってきている」と指令に報告。指令は10時3分に「ただちに乗客を4~6号車に案内するように」と指示した。 煙が増える中、男性車掌(60)は10時7分に「先頭車側から降りてトンネルを避難したほうがいい」と指令に提案。しかし指令は「ト