11月半ば、ミャンマー最大の都市ヤンゴンの一室に日本語が響いた。 「じゃあ言うよ。実は、まんじゅうが怖いんだ」 20代前半の男女5人が、古典落語「まんじゅうこわい」を音読していた。オチまで読んでニヤリ。「これは笑い話ですね」と日本語で言い合った。5人は日本の介護現場で働くことをめざし、1年間にわたり訓練を受けている。 この教室は、日系のジェイサットコンサルティング(JSAT)が昨年7月に医療団体と協力して開設。介護に特化した人材育成プログラムだ。まず適性を見るため、1カ月の座学を経て老人ホームで1カ月間の実習をする。掃除やオムツ洗いをやり切った人だけが日本語訓練に進む。「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる」という日本語能力試験N3以上のレベルが目標だ。 西垣充(みつる)社長(46)は「介護をやりたい人材でなければ、日本での仕事に疲れて逃げてしまう。きちんと育てれば良い人材が育