シリコンバレーのコンサルティング会社「ミューズ・アソシエイツ」で社長を務める梅田望夫氏が、インターネットの社会的影響と先行きの展望について記した著書「ウェブ進化論」(関連記事)が話題となっている。その梅田氏に、成長著しいGoogle社をどう見ているのか、また日本企業はこのネット時代にどう生き残ればよいのかを聞いた(聞き手はITpro発行人 浅見直樹) −− インターネット関連会社は多数あります。その中で、Google社をどのように位置づけていますか? 梅田氏 Googleとは何なのか、ここ数年、ずっと考えてきました。その意味を理解することが、次の10年の行く先を占う上でのメインテーマだと認識していたからです。 IBM,Microsoftに続くIT産業第三世代の中心 Googleは突然変異で生まれた会社です。まるで隕石が落ちたかのようなインパクトを社会にもたらしたんです。 ですから、Goog
梅田望夫・英語で読むITトレンド umeda シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。 最終回・Blogを26カ月続けてみて 2003年3月31日にスタートして21カ月続けてきた本連載も今日が最終回である。 読者の皆さん、長い間、ご愛読ありがとうございました。 「Blog」という言葉を知って、面白そうだから何かやってみようかなと思った... Googleの歴史的役回り Googleについての今年の総括はFortune誌の記事をベースに「Googleをめぐる2004年の総括」を書いたのでもうそれでいいかなと思っていたら、年末にかけて続々とGoogl
■「本」を出すことへの思い ――今回、ブログや雑誌のコラムで言葉を発するのでなく、『ウェブ進化論』を「本」というまとまった形で出されたことの、梅田さんにとっての意味は。 僕の父は作家(梅田晴夫)で、若い頃は小説を書いて賞を取り、その後はラジオドラマやテレビドラマのシナリオなどを書き、晩年はエッセイや趣味の本を書き、という人でした。僕が二十歳のときに父が死んでしまったということもあって、父については良い思い出ばかりが記憶に残っています。もの心ついたときから、本に囲まれて育ち、父が出した本が売れるとか売れないとか、いつも一緒に本屋に行って長い時間を過ごすとか、そういう育ち方をしてきた。それゆえ、本を書くというのはすごいことだ、という刷り込みがあるのです。本に対しての思い入れがある。だから逆に、なかなか本だけは書けなかったのです。 前著『シリコンバレーは私をどう変えたか』(2001年、新潮社刊)
「リトマス試験紙」の役割 【茂木】 『フューチャリスト宣言』の中で僕が言っていることは、これまで心の奥深くに隠してきたことだったんです。だから、僕の周囲では驚いている人が多い。「茂木がこういう本を書くとは思わなかった」と。これまでは、心脳問題に関するもの、あるいは文学的なというかウェットなことを書いてきましたから。でも、「はじめに」に書いた通り、僕には「未来志向」が子供の頃から根強くあって、今までそれを封印してきたのですが、この本でそれを出しちゃった。本音を出しちゃった。そういう意味で、自分にとって爽快な本です。 この本をスタートラインにして、やれることがいろいろあるような気がして、僕は覚悟ができたという感じがします。実は、ある時期までは、談合社会でうまく生きている人をうらやましく思ったりもしていたんですが、そういう思いがだんだん減っていって、この本を書くことによって、禊(みそぎ)ができた
2007年11月14日、梅田望夫さんによる『ウェブ時代をゆく――いかに働き、いかに学ぶか』(ちくま新書)の刊行記念講演会が、 丸善丸の内本店3F日経セミナールームで開催されました。以下はその講演の抄録です。 本に囲まれて育ちました。本が好きです。子どもの頃、当時の日本橋の丸善に、作家だった父に連れられて始終きていましたから、今日丸善でお話をするというのはとても感慨深いです。そういう環境で育ったので、本には特別な思い入れがあります。特に日本の出版をめぐる文化が好きで、出版社の編集者の人たちとか書店で本を売っている人たち、本に敬意を抱きながら日々生活をしている、そういう人たちやそういう文化が好きです。ある偶然でものを書くようになりましたが、職業作家ではありませんから、本を書くということは、自分の人生にとって突然訪れた大きなイベントで、本を書くことに過剰なエネルギーをつぎ込んでしまいます。 『ウ
11月14日、東京丸の内にある丸善本店にて、経営コンサルタントの梅田望夫氏が新著「ウェブ時代をゆく―いかに働き、いかに学ぶか」について語る講演会が開催された。この講演の模様の後編をお届けする。前編については「リアルの世界に生きる人は、ウェブ時代をどう生きたらいいのか--梅田望夫氏講演:前編」をご覧いただきたい。 たいしたことができなかった自分 そろそろ2つめの、何で自分の話を書いたかという話に移りましょう。 この本でも書いたとおり、僕はもともと数学をやりたかったんです。高校生のときです。でもだめだな、とてもじゃないけど一生やっていく根性や才能がなくて、向いてないなと感じました。 それで、コンピュータサイエンスをやって、大学院まで行ったんですけど、周りは僕よりもコンピュータサイエンスに愛情を持っている人ばっかり。ハッカーだよね。とにかく愛情のレベルが違う。この人ほどはうまくいかないだろうなと
11月14日、東京丸の内にある丸善本店にて、経営コンサルタントの梅田望夫氏が新著「ウェブ時代をゆく―いかに働き、いかに学ぶか」について語る講演会が開催された。この講演の模様を前編、後編に分けてお届けする。 こんにちは。大勢の方に集まっていただいて嬉しく思います。僕は経営コンサルタントという職業柄、一般の講演というのはほとんどやらないんですね。持ち味は密室の話芸にあるんですが(笑)。密室で話すのと一般に話すのは大きく違って、一般に話すときは喋ってはいけない「NGワード」もありますから、すごい緊張してます。 「ウェブ時代をゆく」は、僕が全身全霊をかけて書いた本です。丸1年、ほかのことをほとんど何にもしないで書きました。今日の講演会では何の話をしようかと、ここ1〜2週間考えてました。この本で言いたいことは全部この本に込めたから、本の内容を説明するなら朗読するのがいいんですよね(笑) 実際、米国で
環境が激しく変化する時には,必ずそれに適応して勢いを増していく者と,適応できずに取り残される者が出る。自分はどちらだろうと考えると,この要領の悪さと優柔不断さからいってどう見ても後者だろうと思わざるを得ない。そして,今,間違いなく時代の大きな変化が進行している。 要領の悪い自分がどうすれば生き残れるのか 変化をもたらしているのは言うまでもない,インターネットだ。その大きさは産業革命に匹敵するという論者もいる。産業革命は富をもたらすと同時に,資本主義を発達させることで資本家と労働者という階級も作り出した。インターネットや携帯電話は我々の生活を便利にしたが,同時に我々は遠く離れた海の向こうの人々やコンピュータと職を争うことにもなった。 この濁流のような時代の変化の中で,個人が生き延びていくためにはどうすればよいのだろう。およそ生命力や適応力の旺盛でない自分にとって,それは常につきまとって振り払
「ウェブ進化論」いわゆる梅田本が出版されて約3週間になる。一般書籍としてベストセラーになったこの本は、ますます断絶を深めていく「あちら側(There)」と「こちら側(Here)」の世界観のはざまで苦しみもがく人々の叫びとして、どこまで世の中に届いたのだろうか。 ウェブ進化論 改めて振り返ると、急速に収束しつつあるネット世界のビジネスの「共通認識」をこれほどタイムリーかつ端的にまとめた書籍が、これまで少なくとも日本語という言語圏には存在していなかったことに気がついた。 ある人は「ある一つの着地点へと収束しつつある」という実感もなく、この言明そのものに異を唱えるだろうし、ある人はグーグルというアイコンの存在のすごさが「わからない」ことを気まずく感じていることだろう。むしろそういうビギナーに向けて書かれたこの本は、明らかに時宜を得た一冊だった。ネットはつまみ食いしてるだけという保守主義者は四の
ウェブ人間論 梅田 望夫 / 平野 啓一郎 梅田望夫と平野啓一郎の対談集である「ウェブ人間論」を読了した。基本的な感想は、この書籍の元になった新潮に対談が掲載されたときに「新潮6月号の梅田望夫×平野啓一郎の対談を読んで」にもすでに書いたし、ここやここでは平野啓一郎本人が登場するというハプニングがあったことも記憶に新しいところだ。その後に平野はほんとうに公式ブログを開設したりもした。これら一連のできごとは、とても楽しいものだった。 だけど、いやだからこそ、この件を引っ張る形でこれ以上書評を続けると知人友人ばかり持ち上げる内輪やらせブロガー的なダークサイドに堕ちてしまう気がするので、この機会に大きく踏み外してみようと思う。 ぼくが今の今まで注意深く避けてきた、グーグルの技術論について、この機会にとうとう語ってしまおうと思う。 ■「過去7年におけるグーグル成功の最大の要素は『運』だった」(Se
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