トルエンに水素を反応させてメチルシクロヘキサン(MCH)に転換し、このMCHの状態で水素を貯蔵・輸送します。トルエン、MCHともに常温・常圧で液体状態です。MCHは、修正液の溶剤など身近なところで使用される、化学物質としてのリスクが低い化学品です。液体のMCHは、水素ガスと比べると体積当たり500倍以上の水素を含んでいるため効率よく水素を運ぶことが出来ます。 水素の輸送先、すなわち水素利用地で、触媒を用いる脱水素反応によりMCHから水素を分離して、需要家に供給します。脱水素反応で得られるトルエンは再びMCH生成の原料として利用します。千代田は、MCHの脱水素触媒の開発に成功し、それを用いて実用化を目指した技術実証を行いました。千代田は、この水素を貯蔵・輸送するためのMCHをSPERA水素と商標登録しました。