デザインについて、そもそもどのように考えたらいいだろうか? 私たちはふだん当たり前のように「良いデザイン」とか「悪いデザイン」とか言っている。そこで言われている「良さ」や「悪さ」とは、いったいどういうことだろうか? それは第一に、デザインがデザインされたものの「目的」に適っているかどうか、という意味で、とりあえずは理解できるだろう。つまり「良い」デザインであるためにはまず、製品や建造物などが、そこで目指されている用途や目的に沿って、忠実に設計されている必要がある。目的に背くもの、使いにくいものは、良いデザインではない。当たり前のことだが、このことが意味するのは、デザインとはあらかじめ設定された何らかの目的を実現するための「手段」であるということである。 と同時に、これまた言うまでもないことだが、デザインには美的な側面がある。「良い」デザインとは、ある目的を実現するという条件を満たしながらも