近年オランダでは,政策レベルでオープンアクセス (OA) が推進され,各大学図書館において現場レベルでの支援が行われている。本稿では,2018年11月にユトレヒト大学,ティルブルフ大学,オランダ大学協会 (VSNU) で実施したインタビュー調査に基づき,オランダの大学図書館におけるOA支援について報告する。ユトレヒト大学では,戦略プランにOA支援を位置づけ,OAファンドやジャーナル出版支援といった取組みを進めている。ティルブルフ大学では,オープンサイエンスに関するアクションプランの中で,ジャーナル出版支援やプレプリント発信等を目指す動きが見られる。VSNUでは,出版社交渉をはじめとする活動により,国内のOA活動を推進している。これらのオランダにおける取組みは,日本の大学図書館における研究支援のあり方を考える上でのモデルケースになると考える。