本家/.より。 海洋の中深層領域で起きているとされる海水の循環である「熱塩循環」は地球温暖化にも大きく関わっているとされてきた。「熱塩循環」モデルでは、ガルフ・ストリームの暖かい海流は大気に放熱しながら北上し、冷却されて密度を増した海水は「深層西岸境界流」(DWBC:Deep Western Boundary Current)として沈降しながら南下すると考えられていた。 しかし2003年~2006年にかけてグリーンランド沖のラブラドル海で行われた調査はこのモデルに疑問を呈するものとなったとのこと。この調査では深度700~1500mの中層を漂流するRAFOSフロートを使いの深層西岸境界流を調べたとのことだが、フロートの8割近くが深層西岸境界流に乗らずに外洋に流されていったそうだ。 「熱塩循環」モデルは50年ほど前から唱えられてきた説であるが、90年代あたりからその真否を問う声も挙がっていた。