大学時代、リモートで働いたり勉強したりしていたシャノン・チンさん(22)は現在、家族とカナダのトロント近郊に滞在しながら、リモートで2つの仕事を掛け持ちしている。ユーザー体験の仕事の方は、契約後1年半近くたった昨年12月まで同僚と顔を合わせる機会がなく、実のところ、彼らの顔を全く見たことがなかった。 「私たちは会議でカメラを切っていた。だからどんな顔をしているのかさえ知らなかった」 もう一方のソーシャルメディア関係の仕事では、「同僚の誰にも会ったことがない。ただの一人も」と彼女は言う。 オフィスで一度も働いたことがない若い従業員が増えつつある。彼らは新型コロナウイルス禍のさなかに卒業し、オフィスが閉鎖され始めた頃に就職した。そして彼らの多く――特に、大体1997年以降に生まれた「Z世代」――は、リモートワークが多くの企業で当たり前になるなか、この先もオフィスに出勤しないのではないかと想像し