2021年2月26日、中国は3月1日からの台湾産パイナップルの輸入停止を発表した。この突然の「禁輸措置」に対し、台湾世論では害虫の検出を口実とした経済制裁ではないかとの声が上がっている。 だが、台湾で中国以上に厳しい目を向けられているのが、蔡英文政権の対外経済戦略だ。2016年に民進党が政権を取って以来、蔡政権では「新南向政策」として「北(北京)偏重から脱却、南(ASEAN・東アジア)との貿易関係の強化」を目指してきた。チャイナリスクの軽減を目指していたはずが、なぜ「台湾産パイナップル禁輸問題」が起きてしまったのだろうか。 中国へ毎年4万トンが輸出、全生産量の10% 台湾の農業委員会(日本の農林水産省に相当)の統計によると、2020年の台湾農産物の対中輸出量は47万986トン、輸出額は300億台湾ドル(約1155億円)だ。中国に輸出される農産物のうち主たるものが農作物であり、その輸出量は3
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