計四人が死亡した千葉県内の土砂崩れ現場三カ所は、市町村が避難体制を整備する土砂災害警戒区域に指定されていなかったことが、県への取材で分かった。うち二カ所は県が警戒区域への指定準備を進めていた他、今回の大雨では県が危険箇所と認識していない場所でも土砂崩れが起きた。国のまとめでは、県は警戒区域の指定率が全国で突出して低く、住民への危険の周知が遅れたかたちとなった。 住宅一棟が裏山の土砂にのまれ、一人暮らしの六十代男性が遺体で見つかった千葉市緑区板倉町の現場では、二階建ての母屋や倉庫が跡形もなく崩れ落ちていた。付近では三十年前にも土砂崩れがあり、隣家までは県の事業でコンクリートの防壁ができたが、男性宅の裏は竹林のまま。近所の農家山崎英明さん(79)は「他に比べて山が低く、必要がないと判断されたのかもしれない」と話す。 県は男性宅も含めて土砂災害の危険箇所と捉え、今年十二月ごろに住民説明会を開いた