「プーチンの戦争」をやめさせる仲裁役にどの国が名乗りをあげるのか――国際政局の奥深くでいま息詰まるような攻防が繰り広げられている。 第三次世界大戦を食い止めようと仲介に名乗りをあげた国もある。だが、ロシア、ウクライナ双方にこの国ならと思わせる外交の実力を備え、経済的苦境に手を差し伸べてくれる財力を有する国など数えるばかりだ。 仲介外交の今後を窺(うかが)わせる電話協議があった。ウクライナ東部にいた中国人がポーランド国境に近いリビウに向かう途上で銃撃された事件がきっかけだった。携えていた荷物が軍事物資だと見なされ何者かに狙撃されたらしい。 中国の王毅外相はウクライナのクレバ外相に電話して病院に収容された中国人を保護するよう求めたという。 ウクライナ東部はかつて「ソ連の兵器廠(しょう)」といわれ、ミサイルや航空機エンジンの製造工場が建ち並んでいた。それゆえ、軍の近代化を進める中国は、ウクライナ