モスクワのレーニン廟には、レーニンのミイラというか防腐死体があるのはもちろん有名な話だ。通常、それはソ連(およびその他)の社会主義が個人崇拝に堕した明白な印として嘲笑されることが多い(ベトナムのホーチミン廟と同じで)。そして、それ自体はまちがいないことだ。 でもその一方で、そこにはもっとずっとおっかない発想があったというのを今日初めて知った。レーニンの遺体保存を主張した葬儀委員レオニード・クラーシンは、ソヴィエト科学がいずれ死者を復活させられると本気で信じていて、そのために死体保存をすべきだと主張していたんだと。そしてレーニン廟は、それを実現するためにアレクセイ・シューセフが設計したもの。シューセフはロシア未来派の一人だったんだけれど、死者復活に備えてかれは、レーニン廟をタイムマシンとして設計したんだと。 その設計の基本的なアイデアの根底にあったのは、かのロシア未来派のマレヴィッチの思想。